2013年6月26日水曜日

うさぎ


夜道にて、

「あなたは神を信じますか」とかそんなようなとりとめのないことを言って、わけのわからない分厚い本を差し出してきた女性がいた。

彼女は30歳くらいで化粧っ気はなく、小麦農家のおばあさんみたいなもったりとした服を着ていて、片手に大きなカゴを持ち、そのなかに生きた白いうさぎを忍ばせていた。

その姿はまるでB級映画のようで、ああ宗教など空想の物語でしかないのだなあとわたしは思い、
彼女の持つゲージをふんだくって、うさぎを青梅街道の中途半端な歩道に放し、勢いよく走り出したうさぎと並走して、自転車で帰路についた。

自宅について息を切らしているうさぎを抱きかかえようとすると、うさぎはするすると消えてしまって、わたしは、得体の知れないものを信じるのなんて向いていないよと、投げやりな気持ちになって、そして、今。


2 件のコメント:

  1. どこからほんとでどこからうそかわからないけど、衝動的でいいね。

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    1. 駿さん
      それが、わたしにもよくわからないんですよ!
      酔っぱらってました。

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