2013年2月11日月曜日

1PPP


マクドナルドで作業や勉強をすることを「マク勉」と呼ぶ事にしようと思った。

向かいの席では近くにある高校の生徒と思しき学ラン姿の青年たちが、ノートを広げて
「マク勉」していた。

複数で集まってマク勉する学生たちというのは、まあよく喋る。自分もそうだったからよくわかる。本当にちゃんと勉強できているのかわからないくらい喋る。自分もそうだったから分かってるんだけど。まあ勉強になってないんだけど。

でもそうやってみんなでマク勉する時間というのはほんとうにかけがえのない時間であったし、マク勉中のおしゃべりというのは弾みに弾むたのしさがあるものだ。

そんなことを思い出しながら自分のマク勉の手をとめ、学ランの彼らの会話に耳を傾けていると、彼らがしきりに「1PPP」という単語を発していることに気付いた。

「1PPP」ってなんだろう。
聞いた事もない言葉だった。
彼らが勉強している世界史用語かなにかかな、と思ったが、そのわりに「さすがにルンバは持ってないよ、1PPPだからさ」とか「てめえ1PPPのくせになんでももクロの公演あんなにいけんだよ」とかそういった使われ方なので、きっと何かの略語なんだろうな、と思った。

とても気になったのでしばらく聞いていると、彼らのうちの勇気ある1人から
「つーか1PPPってなんなんだよ」という非常にいい質問が飛び出した。

「はあ?知らねえのかよ。1PPPっていうのはなあ」
ももクロの公演に随分たくさん行っているらしい青年の声に全神経を集中させ、わたしは「1PPP」の正体を案外簡単に知る事ができた。

彼の説明によると、「1PPP」というのは「一般ピーポー」のことらしい。
ちなみに、「一般ピーポー」というのは「パンピー」のことらしい。
そして、「パンピー」というのは「一般人」のことらしい。
また、「一般人」というのは「善良な市民」を指すらしい。
で、「善良な市民」のうちに「区民」は含まれないらしい。

生まれは杉並区、育ちは練馬区である善良な区民のわたしは「1PPP」には含まれない。
世知辛い気持ちになった。抗議したい気持ちしかない。

若者が気軽な気持ちで流行らせていく略語的な造語の類は、その場のノリと勢いが加味されてとんでもない方向にぶっとんでしまうことがある。
「マク勉」という略語の使用に関しても、慎重にならないといけないな、と思った。


ちなみに、「1PPP」の発音は「いちピーピーピー」ではない。「ワンピーピーピー」だ。
語感だけでイメージすると決して常人ではない。



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