毎日起き抜けに窓際でコーヒーをすする。
一口めは大抵熱すぎて2ミリリットルも飲めやしない。
窓の向こうには金魚の水槽が見えて、おおきな金魚が2匹泳いでいる。
金魚はまんまるの目をくりくりさせる一方で、長い尾ひれをひらひらさせている。
わたしはこの金魚たちに餌をやるほど愛していないが、本当にかわいいと思っている。
この2匹同士だってきっと同じで、愛し合ってはいないだろうが、
互いを「かわいい」と思っているであろう。彼らはそれぞれ本当にかわいらしいんだ。
そうして金魚を眺めるうちにコーヒーは飲める温度になっている。
時々冷たくなってしまっている時もあるけれど、それはそれ。アイスコーヒー。
時計を見ると1週間前にはもうひと仕事かふた仕事終えていたであろう時間だったが、それもそれ。わたしは無色透明の存在。
怠慢で甘ったるいコーヒーの味
美味しくて間抜けな味
社会性を失うのに1週間も要らなかった。
金魚がぱしゃんと水面を蹴った。
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