2013年3月27日水曜日

湘南乃風『純恋歌』に関する思い出と考察


昨晩、ねむる支度をしていたら外から湘南乃風が聞こえてきた。
近所の不良が車で流しているのだろう。
夜空へ響け愛の歌、とのことだ。

大ヒットした湘南乃風さんの「純恋歌」だが、わたしの知り合いでこの歌をリスペクトしているひとは2人しかいない。

1人は、高校生のときバイト先で親切にしてくれていた1つ年上の男の人だ。
カラオケに誘ってもらって行ったときに「これは今オレの心にスッポリはまる歌」と語った上で心をこめて歌ってくれた。

わたしはその時まで「純恋歌」を聞いた事がなかったので、一生懸命歌詞をひろいながら聞いた。

しかし、この歌はわたしにはなかなか理解に苦しむものだった。
まず、この歌の中に登場する人たちは、おそらく言い回しやその遊びっぷりから判断して自分のようなインドアな人間ではない。
しかも、主人公が惚れた女の人が主人公のことをどう思っているかを測れる部分が一切登場しないから、いまいちストーリーにドキドキを見出せない。
自分とまったくタイプの異なる男が「いい女と出会ってこれ俺マジだわ」って高ぶってるのを延々聞かされたって、なんていうかこう「そうですか…」としか思えなかったんだ。


その上、バイトのお兄さんはクライマックスの部分で突然わたしの肩を抱き、ご自身の額のあたりをわたしの額にくっつけてグリグリしてきた。

びっくりした。
彼は年上だけどタメ語でいいって言ってくれたからずっとタメ語で喋ってたんだけど、純恋歌の直後からまた敬語で話してしまうようになった。
べつに嫌がらせとかバカにしてるとかではない。クラスのリーダー格に対してクラスの地味キャラが敬語で話すのと同じで、自然と敬語になってしまったという話だ。

女子の中にはそんなことされたらたまらなくキュンときちゃう人も多いんだろうけど、たぶんそういう女の子は純恋歌の歌詞のなかに出てくるような人たちで、そういう人たちの方が世の中には多いからあの歌はすごく流行ったのだろう。

ただわたしはあの頃、サブカルへの憧れをこじらせたキャピキャピ感に欠ける女子高生で、メインカルチャーに自然と精通するキャピキャピした人たちに対して卑屈な劣等感を感じていた。だからもう、折り合いが付かなくなった時にパチンコに行って景品持って謝りにかえる、なんて恐ろしい話でしかない。

もちろん、その人が悪い人というわけでは全くなく、胡散臭いわけでもなく、むしろとても立派な人であったし、おそらく純粋な気持ちで純恋歌に共感していたのであろうから、ただただ私がそれに至らなかったというだけのことなのだけれど。

カラオケのあと彼はわざわざ純恋歌のCDを貸してくれたので、わたしもその時はまっていた銀杏だかZAZENだかのCDを貸そうとしたのだが、以後疎遠になった。

元気かなあと思うけど、純恋歌の印象がつよくて名前を忘れてしまった。


ちなみにもう1人の純恋歌リスペクターは3つ年下の、私の弟である。

純恋歌がチャートにあがらなくなってしばらく経ってから純恋歌を聞き出したちょいズレな弟は、おそらく歌詞がどうとかではなく、ただあの「仲間!海!ドライブ!」みたいなイメージを彷彿とさせるサウンドにハマっていたのであろう。たまに自宅で熱唱することがあったが、歌詞がことごとくテキトーだった。

ここらでもうずっと忘れられない弟のメチャメチャ純恋歌の歌詞を紹介し、この傲慢でしょっぱい自己顕示的な雑文を締めくくろうと思う。

以下、我が弟のうたう純恋歌の歌詞。

「大貧民の彼女のオレ
おいしいパスタ作ったオレ
家庭的なタイプの女、オーレ
ベタ俺〜

大貧民に俺マジギレ
それ見て笑って楽しいねって
家庭的なタイプの女のオレ
オレオレ〜

嬉しくて嬉しくて
柄にもなくスキップして
好きっていいてえ、
おぼろげなオレをみつめる君に釘付け

守りたい女って、思ったはじめて
真面目な顔してギュッとベタ俺〜

目を覚ませば幾千のオレ
いちばん好きなお前が欲しい
はじめて一途になれたよ〜
夜空へ響け純恋歌〜

※ 以下繰り返し 」


とのことだった。











2 件のコメント:

  1. 調子がでてきましたね。

    返信削除
    返信
    1. あっ駿さんだ!
      わざわざありがとうございますしゅんさん!

      削除